これまで200本以上のギターを扱ってきましたごくまれに「宝石」のようなギターに出合うことがあります70年　全音製　モラレス MW200　昭和の名工　田原良平作驚くべきことに、ピックガードの保護フィルムもまだ剥いてません眠り姫のように、世の中の片隅で、50年眠り続けたようですこれほど、美しい状態で残ったギターは「宝石」のように思えます50年も前に作られたのにキズらしい、キズも無く、素晴らしい鳴りをするギターです世界中のギターのピークは70年代にあったと思います70年代にはギターに最適な、目の摘んだ、軽く硬い木材を時間をかけてじっくり乾燥させられましたまだ、労働賃金が安かったので国内の熟練職人が、腕によりをかけて組み立てることができました国内には、無名をあわせれば、30以上のメーカーが高い技術水準でしのぎを削ってましたあれから50年もう、質の高い、良材は、ありません、取りつくしてしまいました労働賃金や、貨幣価値は3倍以上になり、ヤマハの15万のモデルも海外で生産してます5万はらっても、ガックリくるようなものしか手に入りません今の時代では、なかなか手に入らない70年代製のギターですがさすがに50年経過してると、ボロボロなものが多いですそんな、中、このモラレスの状態は「奇跡的」です前のオーナー、買ってみたものの、半年も弾かないでケースにしまったままだったのでしょうか外見に違わぬ音です若いギターの音がします、立ち上がりがよく、輪郭がくっきりとした凛とした澄んだ音がします弦を弾き下ろした後、長く心地よい余韻が残ります今の時代のギターが失ってしまったものの、すべてがこの1本にありますよいギターの音は、「おいしい白米」のようなもので毎日、食べ慣れると、それが普通になってしまいますがある日、外食などをして、値段だけが取り柄のものを口にすると改めて、「その価値」に驚くことがあります日々、手の届く場所に、いい音があるということは、何よりの「幸せ」だと思うのですそんなささやかな幸せも、いまでは、7万、10万出さないと、難しい時代になりました誰もが、無理せずに、いい音と隣り合い音楽を楽しめるといいなと思ってます